書籍_s17110802画像 北欧福祉国家は持続可能か  多元性と政策協調のゆくえ
編著: K・ペーターセン、S・クーンレ 、P・ケットネン
訳: 大塚陽子 監訳、上子秋生 監訳
価格: 7,020円
発売日: 2017年11月20日
内容:
 北欧福祉国家5カ国の発展過程には大きな相違がみられる。

 この点を踏まえ、本書では、ジェンダー、地方分権などの様々な社会的側面と、多元性と類似性をもたらした100年以上にわたる政策協調の歴史の2点を軸に、政治学、社会学、歴史学、経済学等の様々な視点から、「北欧モデル」の実相を明らかにしていく。

 移民問題等が生じる現代における持続可能性を検討した一冊。

[ここがポイント]

◎ 北欧福祉国家の多元性を、政治学、社会学、歴史学、経済学等の様々な視点から、国別、社会的側面別に考察。

◎ 北欧の研究機関であるNordic Centre of Excellence, Norwell に所属する北欧5ヵ国の著名な研究者たちの論文を翻訳。

◎ グローバリゼーション、移民問題等が生じる現代における「北欧モデル」の持続可能性を考察。

(目次)

はじめに

第I部 北欧モデルの成立と展開

第1章 スウェーデン――社会権の充実による社会保障体制の進展
1 1932年以前のスウェーデンにおける社会保障
2 国民の家の建設――1932~1950年
3 所得保障に関する論争――スウェーデン社会民主労働党(SAP)対スウェーデン全国労働組合連盟(LO)
4 付加年金をめぐる争い――労働運動対ブルジョア政党
5 スウェーデン全国労働組合連盟のイデオロギー
6 社会扶助
7 ジェンダー平等
8 危機・批判・再安定化への政治
9 新しい不平等の構図
10 スウェーデン福祉国家の原則

第2章 デンマーク――政治的妥協による発展
1 福祉国家の創設期と国家の役割
2 社会民主党政権の誕生
3 福祉政策のブレークスルー――二回目の社会改革
4 継続的な発展――1945年以前から以後へ
5 福祉国家の黄金時代――1950~1973年
6 緊縮と再編の狭間で――1973年以降

第3章 ノルウェー――社会民主主義者と福祉国家
1 工業労働力と自由主義農民の政治的主導権
2 過去と未来の間に――1935~2000年
3 状況の産物としての福祉国家

第4章 フィンランド――北欧モデルが抱える社会・経済間の緊張
1 北欧福祉国家の例外?
2 中心と周辺
3 好循環と国家的必要性
4 北欧社会
5 社会政策の政治――社会保険制度の場合
6 社会的利害および仕事とジェンダーの概念
7 合 意
8 福祉国家および合意による競争力

第5章 アイスランド――遅れてきた北欧福祉国家の先進性と異質性
1 条件型福祉
2 近代社会政治の出現――1890~1936年
3 社会改革の時代――1936~1946年
4 福祉制度の整備――1946~1970年
5 拡大の年――1971~1990年
6 グローバル化の時代における福祉制度――1990年以降
7 北欧的ではないアイスランド福祉制度の特殊性
目次:
第6章 北欧諸国の社会政策における連携――1919~1955年
1 スカンジナビア・フレームから北欧フレームへ
2 1919~1945年の北欧社会政策会議
3 国の利益か北欧の利益か
4 北欧社会政策会議の組織化
5 北欧社会政策会議の合意事項
6 北欧社会政策協力の具体的成果
7 新しいスタート――1945年以降
8 北欧の社会政策協力――1945~1955年
9 共通の北欧労働市場
10 内部競争
11 貧困に関する法制から社会保障へ
12 国内と北欧の利害
13 北欧協力と政策の相互互換性

第II部 多様な福祉政策的側面からみた北欧モデル

第7章 北欧モデルにおける普遍主義
1 普遍主義の概念
2 普遍的福祉――いつ?
3 なぜ普遍的福祉か?
4 1990年代の福祉改革――普遍主義はどこへ行くのか?
5 普遍主義の原則と正統性

第8章 貧困と所得分配
1 北欧諸国の政策戦略
2 所得再分配の戦略としての北欧モデル
3 所得分配と再分配
4 北欧諸国の所得再分配戦略の変化

第9章 ジェンダー
1 ジェンダー平等という戦略
2 歴史過程
3 北欧――女性に好意的な社会か? 新たなジェンダーシステムか?
4 専門的な言説――女性に好意的な政策とは問題解決なのか? 課題なのか?
5 北欧のジェンダー平等矛盾
6 女性に好意的であることとマルチカルチュラリズム
7 一つのモデルか四つのモデルか
8 北欧のジェンダー平等モデルの行き詰まり

第10章 家族政策
1 北欧の家族
2 北欧諸国の家族政策
3 北欧の家族政策の限界

第11章 地方政府の役割
1 分権型単一国家
2 自治と統合
3 地方行政の要素と自治・統合のメカニズム
4 北欧型地方行政の成功と失敗
5 北欧型地方自治の発展

第12章 ボランティア
1 北欧諸国におけるボランタリーセクター
2 歴史的視点から見るボランタリーセクター
3 メンバーシップとボランティア活動
4 労働力
5 財 政
6 公共支出はボランタリー組織を締め出すのか?
7 北欧ボランタリーセクターの現在と将来

第13章 北欧の労働市場モデル
1 社会民主主義的な福祉国家における労使関係
2 北欧モデルは存在するのか?
3 共通の北欧労働市場モデルは存在するのか?
4 労働組合
5 三者構成原則と団体交渉
6 三者構成原則と産業政策
7 女性と労働市場
8 社会発展に近接する北欧の労働組合主義

第III部 福祉国家としての連帯に関する諸問題

第14章 移民問題――緊張した関係性
1 北欧福祉国家の新たな挑戦としての移民問題
2 スカンジナビア――類似点と相違点
3 歴史的記述
4 普遍的解決策としての選択の自由
5 福祉国家における移民政策の論理
6 福祉国家の科学的な起源
7 非難の的のスカンジナビア・モデル
8 いずれにしてもマルチ・カルチュラリズムではない?
9 本質的な課題への視角
10 論争の源

第15章 欧州連合とグローバリゼーション――北欧モデルは存在するのか?
1 北欧福祉モデルとは何か?
2 福祉国家の新しい課題
3 グローバル化
4 欧州化
5 変化する労働市場
6 変化する家族
7 変化する人口構成
8 古くて新しい社会問題
9 福祉国家の評判
10 世界的金融危機
11 北欧モデルの存続条件

第16章 北欧モデルの起源・業績・教訓
1 北欧モデルの主要な特徴
2 北欧モデル創出の条件
3 福祉国家の勃興
4 1990年代以降の状況の変化
5 1990~2000年代における北欧福祉国家
6 北欧モデルの影響力

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