書籍_s18090424画像 ろう教育と「ことば」の社会言語学
手話・英語・日本語リテラシー
著者: 中島武史
価格: 3,240円
発売日: 2018年08月31日
内容:
  ろう教育の過去と現在は「ことば」と常に関連して存在している……。

  マイノリティとしてのろう児が抱える不利益構造を新たな角度から抽出し、「ことば」=「日本語(国語)」という言語観や多言語社会への不寛容を批判し、誰もが「ことば」や「情報」から疎外または排除されない社会の形を展望しようとする、障害学的社会言語学の成果!
目次:
第1部 序論

第1章 はじめに
本研究の背景/本研究における「ろう」の位置づけ/本研究の位置づけとめざすもの/研究手法と本研究の構成/筆者の立ち位置と本研究で用いる「手話」用語の説明

第2章 ろう学校について
ろう学校の入学対象者/ろう学校数と生徒数の変遷/ろう学校の授業形態と学習進度/インテグレーションという現象/ろう教育の変遷

第2部 現在のろう教育現場で起きている「ことば」の問題

第3章 ろう児と聴者教員の関係性と低学力
教育指導法・言語メディアと低学力の関係/関係性という切り口と先行研究/調査の概要/教師のストラテジー/教師文化を内面化するろう学校の聴者教員たち/ろう児と聴者教員の関係性が「ろう児の低学力問題」へ与える影響/まとめ

第4章 ろう児・者への英語リスニング試験
ろう教育のなかの英語教育/リスニング特別措置を検討する目的/リスニング特別措置の内容/「平均聴力レベル」という基準の曖昧さと「特別措置」内容の格差/「(聴覚)障がい者に関する特別措置」の変遷から見る、教育と制度の関係/より公平な特別措置について/リスニング「免除」にともなう新たな課題/おわりに

第3部 ろう教育の変遷のなかで見られる「ことば」の問題

第5章 口話法と近代的言語観
ろう教育の学際化/口話によるろう児の社会参加という考え方/口話主義と「国語」・「近代的言語観」/「一国家一言語」思想と「手話言語」・「多言語社会」/インテグレーションに見る「近代的言語観」の現在的影響/おわりに

第6章 言語権とバイリンガルろう教育
口話法の補助機能としての手話導入/「言語」としての手話導入/バイリンガルろう教育の動向について/バイリンガルろう教育の直面する課題について/バイリンガルろう教育におけるバイリンガルイメージの修正/ろう学校の聴者教員が手話技能に関して置かれている困難さ/「言語権」について/「言語権」がろう学校の聴者教員に与えうるもの/おわりに

第4部 ろう教育における「リテラシー(読み書き)」研究がもつ問題

第7章 リテラシー論の現状と射程
はじめに/リテラシーの多様性/機能的リテラシー/批判的リテラシー/リテラシーのもつ「排除の領域」/障害学的社会言語学のリテラシー論/リテラシーによる「排除」の乗り越えにむけて/リテラシー研究における「障害者」排除と研究姿勢

第8章 ろう児のリテラシー論の特徴と課題
はじめに/ろう児に対するリテラシー教育の歴史的展開/ろう児のリテラシー研究に見られるリテラシー観の小括/「健常者」基準の諸検査がもつ問題/ろう児のリテラシー研究に見られる日本語擁護の言説/「識字者」=「強者」の論理/「機能的リテラシー」観の乗り越えにむけて/まとめ

第9章 ろう児の日本語リテラシー実践
ろう児の日本語リテラシー研究にエスノグラフィーを適応する意図/「リテラシーイベント」という分析ツール/調査の概要/「リテラシーイベント」のもつ効果/「リテラシーイベント」にまつわる困難/「リテラシーイベント」にまつわるストラテジー/日本語リテラシーに対する心理的負荷/別様な(日本語)リテラシーの存在/ろう児・者の事例から考える「ことばのユニバーサルデザイン」/まとめ/今後に向けて――アンエンパワメントという考え方の導入

第5部 結論

第10章 本研究のまとめ
本研究の結果/本研究で残された課題

文献
参考HP

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